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司会者 折角いろいろ意見を出して頂いきたい訳ですが、時間の関係もございます。佐藤先生の質問もあります。合わせてお願いします。
佐藤先生 まず単一学校規模の指導を越えた指導体制の充実ということなんですが、農村部あるいは山間部においては、団体競技でチームが作れないような人数の部活動があるわけです。当然少ない人数でやっていては、子どもたち楽しくない。ですから近くの学校の生徒を集めて、その中で指導していくとか、今のところはそのようなことしか頭に浮かんでないのですけども。それから、外部指導者の件ですが、本県はまだまだこの外部指導者については発展途上だと思います。特に私の市では昨年度からようやく外部指導者をつけることが認めらました。ですから、外部指導者と顧問との問題点とか、そういうことはまだあまり耳には入ってきていません。
司会者 全員入部制とか、そのあたりは、どうでしょうか。
佐藤先生 紀要の56頁の通り、他府県では全く逆の結果になっているところもあるかも分かりませんが、三重県では徐々に全員加入制が増えてきています。問題点としては、希望加入にすれば、やる気をもった生徒が集まるのですが、先の単一規模校を越えた指導のところでも触れましたが、とにかく全員を集めなければ部自体、活動できない。こんな現状が今あって、三重県ではこういう状態になっています。
司会者 時間も大変おしてまいりましたので、指導助言の先生方に、まとめて指導助言をお願いしたいと思います。
松本先生 この分科会で発表なされました3人の先生方には御礼を申し上げます。3人の先生のそれぞれ仮説を立て実施をされ、その成果を問うておられます。ありがたく拝聴したわけでございます。
松田先生のところでは、女子バレー部では、3年生が下級生と一緒にやっているということでありました。私も、部活動というものは、異なった学年も交じってやり、学年はあまり考えないほうがいいんじゃないのかなと思っています。
本分科会の研究テーマは心身の発達段階を捉えた指導あるいは、障害の防止ということでした。練習のことは出てきたんですが、練習試合とか対外試合の引率とかということについての管理上の諸注意といいますか、これはもう当然分かっておられると思いましたので、3人の先生方はお触れにならなかったんだろうと思うんですが、やはり私が一番先に考えましたのは、運動部活動とはなにかということです。その前提になるものは、平成元年に学習指導要領が改定されて認められたということがあります。特別活動のクラブというところには、クラブ活動と同等の活動している運動部活動となっており、それと代替してもよいとあります。それから、もうひとつあります。学校教育活動計画の中に位置付けてあって、その学校の先生が監督・指導していくという条件があるんです。これをまず押さえておかないと、運動部活動の全員加入ということや小規模学校の合同の練習とかということが、ずれていきます。そのことは今も変わっていません。もう少し付け加えると、対外試合に連れて行ったときに、例えば全国大会の大会要綱は「教師が引率すること、ただし校長が認めたコーチについてはベンチ入りを認める」と書いてあるんです。それが社会体育指導者の導入です。あくまでも今の法体制下では学校の先生が、顧問であろうとなかろうと、監督して連れて行って頂かないと、学校健康センター法の適用を受けられないということを、頭の中に入れておかないといけないと思います。
さらに、世の中の動きということも考えないといけないと思います。プロスポーツが盛んになり、いわゆるサッカー・Jリーグに代表されるように、そのスタジアムのところにジュニアという年齢に応じたクラブを持つことになりました。しかし、全国中学校体育大会は日本中体連と関係する競技団体とお引き受けくださった開催県の教育委員会の三者でやるとあります。また、学校教育活動としての対外教育という枠組みがはずれてないですから、そのなかで知恵をはたらかせていくということが必要になってくる。ということで、全国大会の改善は、ひとつは外部講師の導

 

 

 

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